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海の向こうで暮らしてみれば

日々の小さな発見や初めての育児、ワンコのことをゆっくりつづります。

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研修

 このブログで私の仕事の事を詳しく書くのは、あえてあまりしていなかったのですが今日は少しだけ。写真が多いです。

 
ある日リヨンの郊外(ちょっと都会)にある業者さんが開催する研修に参加してきました。この業者さんはパティシエとヴーランジェ(パン職人)のための材料を専門に販売する業者さん。昨年の9月からリヨンに進出したそうです。


 普段は田舎の広い道しか運転したことのないヘッポコドライバーなもので、都会の3車線の高速道路で、前後の車がガンガン車線変更するところでは手汗びっしょりで運転しながら何とか到着。普段は私のやっていることをシラ~っと見ているN氏も、前夜の私のパニックぶりを見て「この道を通って、落ち着いていけば大丈夫だから!」と教えてくれました(爆)

 この日の研修は6人の参加者。そのうち私を含めた3人は同じ会社のパティシエ。こういうたまの研修会で他の企業レストランで働く仲間に会えるのはとても良い刺激になります。それから普段の悩みや材料の良し悪しについても情報交換できる貴重な機会です。

 


 この日の研修のテーマは 「お皿に盛るデザート」。私が働いているのは企業レストランです。企業レストランとは簡単に言ってしまうと「社員食堂」。属に企業レストランのパティシエと言うと、「タルトやべリンヌなどのお菓子を大量に製造してお客さんがセルフで取れるようにディスプレイする」 と言うのが主な仕事です。ただ企業レストランなので別室でレストラン形式で1皿づつサービスされるクラブ(ビジネスランチ)も行われることがあります。私が働くレストランでは週に2、3回の頻度で6~15名ぐらいのクラブがあります。もちろんそのデザートは普段のお菓子の小さなお皿ではなく、大きめのお皿にデザートとして盛り付け、同僚がお客さんの元までサーブしてくれるのです。

ビジネスランチなので、お客さんは時には前菜からデザートまでを50分で食べ終わってしまうこともありますが、それでも食事の最後に食べられるのはデザート。終わりよければ全てよしで、最後のデザートが満足いくものであればそれに越したことはないわけです。そういう皿盛りのデザートのテクニックやアイデアを得るための研修でした。



 私が働く企業レストランでは事前に製造して冷凍保存したりすることは出来ません。衛生上の問題で、出来上がったお菓子は48時間以内に売り切らなければ廃棄となります。製造時間も朝7時~10時半、11時までの短い時間です。その限られた時間の中で出来るだけ順序良く、多すぎないパーツを作りそれを組み合わせる。もちろんクラブのデザートだけではなく普段のサービス分のお菓子も作らなければいけません。うちの会社では平均客数が400人を超える場合はパティシエが2人、それ以下の場合はパティシエが1人という決まりになっています。

 

 個人のお菓子屋やレストランで働いているパティシエの友人などにこの話をすると驚かれるのですが、ある意味給食センターレベルの大量生産できる厨房で製造するので家で4人分のケーキを作るのも会社で30人分のケーキを作るのも対して違いはないのです。ただ企業レストランに求められるものも時代と共に変化しているのは事実で、100人前以上のお菓子を製造出来る。笑顔でお客さんの対応が出来る。ビジネスランチではレストラン相応の皿盛りデザートが出せる。この3点がそろわなければ・・・転職したら?と言われる厳しい世界。ですから会社側も現場の人たちの技術レベルを上げるためには研修に出すのです。

「企業レストラン=お父さんの会社の食堂」 というイメージはあるにはあるけれど、それ以上が求められるのですね。まあでもクラブ以外はお父さんたちの食堂のおばちゃんだけどね。フランス人の奥様方は、どうやらお父さんに「お昼は会社の食堂でおなか一杯食べてきて~!」とお達しを出すらしくて、お父さんたちすごい量を食べます。もちろん女性のお客さんもかなりの量をぺろっと食べますよ。



 話が脱線してしまいました。皿盛りのデザートの場合ソースや時間が経つと柔らかくなってしまうパーツなどを使ったデザートを提供することが出来るのは楽しく、創作意欲を駆り立てられます。


朝7時半から始まった研修では1日かかりなんと10種ものデザートを作りました。普段の職場にはない食器もたくさんあり、皆テンションアップで、シェフに質問攻め。シェフは私たち参加者にもパーツやお菓子本体を作らせながら、説明をしてくれます。

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 卵を器にしたデザート。見た目は本物の卵のようですが、中身はクレーム・ブリュレとマスカルポーネのクリーム。黄身に見立てたのはパッションフルーツのジュレ。



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 洋ナシをカシスの果汁でコンポートにすると鮮やかな色味が綺麗に炊きあがります。デコレーションに使ったのはゴマのチュイル。赤ワインや香辛料を使って炊くのとは全くちがう色合いと酸味が出ていました。カシスと洋ナシは黄金の組み合わせだと思います。


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 タピオカを使ったソースの上にチョコレートのガナッシュをココナッツの衣をつけて揚げたものを載せたデザート。パッションフルーツのジュレを角切りにして散らしてあるのがアクセント。料理人が作りそうなデザートと言ったら、語弊があるかもしれませんがとてもシンプルなデザート。



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 ブリオッシュをクレームブリュレの液に浸したフレンチトースト風。添えてあるのはブラットオレンジを煮詰めたソースにフランス産のガリゲットと言う種のイチゴに絡めたもの。バニラアイス添え。こちらが今日のデザートの中で一番美味しかった。すべてのパーツが最強の相性です。



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 ピスタチオとカシスのミルフィーユ。重しを調整して、サクサクに仕上げたパイ生地が皿盛りデザートならではの特徴。
写真では見えづらいのですが、中にカシスのクリームが入っています。



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 チョコレートの器に別のチョコレートベースのムース、塩キャラメル味のディスク、バニラ味のムースなどが入ったデザート。お客様の前で熱々のチョコレートソースをかけると器がとろける仕組みになっています。


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 チョコレートのみのデザート。見た目からは想像しがたい甘さ控えめなチョコレートの味が楽しめます。甘味よりも酸味と苦みが上手く調和した配合です。



他にも写真を載せてないデザートの数々を作りました。。普段甘いものはあまり食べないので夕方試食が終わる頃にはお腹が痛くなりそうでした。もちろん帰宅後は何も食べられず。。。




それにしても充実した1日でした。自分以外の人が作るデザートを学ぶのは楽しいものです。何より普段は1人で黙々とお菓子を作っているので、いろんな人の仕事ぶりを見られるのは貴重なのです。明日からもまた少し頑張ろうと思えました♪




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プロフィール

tintinmaman

Author:tintinmaman
タンタンママです。フランス菓子を勉強するために渡仏。フランス・リヨンの郊外での生活も15年目突入。パティシエを続けながら、同職の夫と2人の息子たちとのんびり生活中。

夫→普段は物静かな人。しかし怒らせると手が付けられない典型的なラテン男。こだわる事については完璧主義な働き者。

タンタン→長男・2008年5月4日生まれ。サッカー好きなおしゃべり9歳児。

ジュジュ→次男・2013年8月21日生まれ。お兄ちゃんと同じ4000gで生まれたビックな赤ちゃん。年中さん。

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